作品「人魚姫」
人魚姫
サンタフェでは、アレキサンダー・ジラードによる世界の民芸品の
コレクションが展示されたフォークアート・ミュージアムへ2回行き、
何時間も過ごした。ジラードの民芸品の本に出てきた
メキシコの人魚の実物は大きく、
どこかとぼけた愛嬌ある表情と魅力的な形にしばらく見入った。
メキシコの民芸品でギターを持った人魚姫のモチーフをわりと見かけるけれど、
何かエピソードがあるのだろうか。
これは自分の中から生まれた人魚姫。
(2017年・20センチ正方形・切り絵)
サンタフェの旅はぼくたち夫婦にとって最高の民芸の旅。
精霊を模ったというカチナドールや、
不思議な幾何学模様がほどこされた壺を街で見かける。
フォークアート・ミュージアムの素晴らしさは、
ああ来てみられて良かった、という一言だった。
素朴なる空気をまとった数々の民芸品は、
人間の優しさをあらわしているように感じた。
この作品は東京の個展で飾ってから、
その後、少し旅をして徳島でお店をされている店主さんのもとへ。
幸せに過ごしているだろうと思う。