ちょっきんきりえ展〈渋谷〉2023
「JAZZ」終了レポート
2023年7月に開催した渋谷の個展
ずいぶん遅くなってしまいましたが終了レポートを書きます。実はいま徳島の個展の直前です。ここ数年ウェブサイトというよりはinstagamメインになっているので、ついつい後回しにしてしまいましたー。しかし遅い!
2022年は渋谷の個展を休んだので、2年ぶりでした。7月末、夏の個展。今年の夏はものすごく暑くて、人がくるのだろうかと?正直なところ心配でした。毎日毎日作品を作り準備したのを思い出します。切り絵とドローイングの作品が半々の展示にしました。全46枚。がんばりました。
2年前はドローイングを始めたばかりで、まだ鉛筆をメインにした小さいサイズが6枚だけでした。昨年2021年の年末、神戸シュトックギャラリーでの個展でもアクリルガッシュを試した上で(詳しくは神戸個展のレポートを)、今回の渋谷ではアクリルインクをメインに使ったドローイングにしました。この画材が今やりたいことにぴったりだと感じています。
ウィンドウに描いたドローイング
個展スタート前日の設営日、お店の1F入口脇のウィンドウに線画を描きました(展示は2Fです)。なかなか大きい窓で何を書こうか考えましたが、涼しいものが良いかと思って金魚鉢と鳥と太陽。白いペンで描いたのですが少し細かったので次回やるなら太いのが良いですね。お客さんもたくさん写真を撮って帰ってくださったそうで楽しんでもらえたならよかった!
会場にはたくさんの作品を飾りました。白い壁とグレーの床。ハオス&テラスは明るい光が入るとても雰囲気の良い空間で、大好きな会場です。前日の金曜に妻と一緒に設営をしました。
切り絵とドローイングを分けて飾ろうかとも当初考えたのですが、ごちゃ混ぜにした方が一体感があるかなあと考え、色合いと絵のバランスを考えながら並べました。結果、楽しい感じになりよかったように思います。
個展が始まるとたくさんのお客さま。最初の土日は常にたくさんのお客さまがいる状態で、みなさまといろんなお話ができ、お会いできとてもうれしかったです。どんどん行き先が決まる作品。とても良い感じのうれしいスタートでした。なんと最初の2日間で半分の作品が売約となりました。
最初の土日が終わり、平日も毎日本当にたくさんの方にお越しいただきました。あの暑い中、汗かきながらたどり着いてくださることにまず感謝!(自分だったら行かないかも知れないくらいの暑さだった)最後の最後まで、毎日楽しい時間が続きました。ありがとうございます。
皆さんが、どれだけぼくのインスタグラムの投稿をよく読んでくださっているか、どれだけチェックしてくださっているかも伝わってきてとてもたくさんの応援を本当にありがたく思いながらお話させてもらいました。絵を前にいろんな話ができる時が、ぼくにとって仕事の中で一番楽しい時間かも知れません。ありがとうございました。
今回の作品から抜粋。切り絵もドローイングもそれぞれに楽しんでたくさん作りました。2021年の年末の神戸の個展から「JAZZ」というタイトルで個展を始め、今回2回目。
JAZZという言葉は、アンリ・マティスの切り絵のシリーズ「JAZZ」からもらいました。名前の由来は、音楽的な絵ということもあるようです。音楽的、即興的な、その場で思いつく形を自由に描くという感覚で楽しく作品を作ったら良いだろうなあというイメージから個展のタイトルにもらいました。
毎日「今日はこれがやりたいという絵をつくる」という考え方で準備した個展。特にドローイングは「こうやったらこうなるんだ」と、描く度に発見がありとても楽しかった。
ぼくがやりたいと思っているのは、ペインティングではなくドローイング 。切り絵と同じようにアイデアをその場ですぐに形にできる方が、自分には合っているように感じるからです。フォルムと色、筆の運び、線の揺れ。描くことってとても楽しいですね。ドローイングによって、明らかに自分の中の創作意欲が広がったように思います。
マティス、ピカソ、パウル・クレー、ミロ。魅力的なドローイングが見られるのでとても好きで、美術館の展示があれば観に行ったり、いろんな本を見つけては作品を眺めたり。自分が良いなあと思う憧れの作品像がはっきりあると、自分の創作もより楽しくなるように思います。それを真似するとかではなく、じゃあ自分だったらどうするのが良いか考え、これは違う・これは良い、の制作途中の判断もはっきり明確になってくる。
雑貨アイテムもたくさん用意しました。今年作ったアートポスターや新しいふきんなどの布もののほか、コラボ商品の靴下やブランケットやガーゼハンカチも。自社商品だけでなくコラボも最近増えたので、こうしたイベントの際にはバリエーションが出て良いなと思います。
今回から写真のグレーの雑貨スタンドの什器を手作りして持って行きました。以前は平置きで見にくかったのですが、これに変えたからか?ふきん類の売れ行きもとても良く、雑貨売上はおそらく以前の倍近く?に増えました。見せ方ってやはり大事なんだなと改めて感じます。
皆さんが選んでくださって売約となり、行き先が決まった作品はなんと、46枚のうち42枚。残ったのは4枚だけでした。関西では毎年これくらいの感じだったのですが、渋谷でこんなにたくさん旅立つとは思わず正直なところ自分でもびっくりしました。最初から選びたい気持ちでいらしてくださる方も多かったように思います。
赤シールの売約済みの作品を見て「これがよかったー」という方も多く申し訳なく思いました。やっぱり希望が重なる作品って毎回あるんですよね。でも、同じタイプの作品ばかり描くのもなあと思うし、そこは難しいところ。初日の早くにいらした方は、これ!とすんなり選ばれていく方も多かったので、欲しいのが決まってる場合は初日にいらしてください、とお伝えするしかないのかなあ(笑)
作品を購入してくださった方には、写真のようにその原画のモチーフでThank youカードをマッキーのマジックで手描きしました。毎回、個展では原画にプレゼントとしてこのカードを添えてお渡ししています。
個展ってやっぱり良いものだなあと思いました。
ぼくは作家なので、個展は自分の中心となる大事な仕事。その準備にはたくさんの時間をかけるわけで、やはり、たくさんの方が来てくださって作品が売れていくということが成立しないと、仕事としてはメインにやっていけません。作家活動を始めてから15年以上たち、ようやくここ数年でたくさんの売り上げを出せるようになったことは、自分自身続けてきてよかったと思えるし、本当にこれからの励みになります。
作品を買ってくださるということ。斬新さとか面白さではなく、部屋に飾って毎日一緒に過ごしてすんなりなじむ、ともに暮らす心地よい絵。それがぼくの方向性。皆さんの家に自分の絵が飾られているというのは、本当にありがたく、とてもすごいことだなあと思います。そのことを忘れずに、これからも絵に向かいたいと思います。
たくさんのご来場心より感謝いたします。
また来年も渋谷の個展でお会いできればうれしいです!
(来年は5月ごろの開催を予定しております。夏じゃなく春!)
YUYA
友人が撮ってくれたぼくたちの写真
(やたら楽しそうな自分…)