イヌイットの壁かけ「氷原のクリスマス展」をみに行く

今年、誠文堂新光社から愛蔵版が出版された「イヌイットの壁かけ」。
その関連展示として、浅草橋の天才算数塾という会場で
「氷原のクリスマス展」が開催されていたので、
最終日(2017.12.17)に行ってきました。

暮しの手帖社の「イヌイットの壁かけ」という本は、
何年も前に古本で手に入れてから大好きな本です。
「世界の民芸」や「少年民藝館」などと同じように、
ぼくは事あるごとにくり返しくり返し見ています。

今回の展示では、愛蔵版の本に追加掲載されたという
クリスマスモチーフの小さな作品が20点ほど並んでいました。
ひとつひとつ、フェルト地を縫い付けて作られたカナダのイヌイット・アートの一つで、
作家ではない女性たちが思い思いに生み出すいきいきとした素朴であたたかな絵。
眺めているとイヌイットの人びとの暮しぶりや人柄も伝わってくるようです。

有名な誰かの作品などに関わらず、どんなさりげない素朴なものであっても、
(あくまで自分にとっての)心に響く素敵な何かをみに行くことは、
これから自分がつくりたい「新しい印象」のきっかけをくれます。
それがたくさん積み重なって、自分の作品やデザインができるのだと思っています。
あたたかい気分になる楽しい展示でした。

 

正方形に近い小さな形。20数センチ角だろうか。
絞られた色数、あたたかなモチーフと間合い。
みていてとても楽しいのです。
どの作品も、シンプルでありながら洒落た縁取りステッチが施されていて、
そこがアートとしてきちんと見える理由のひとつなのかと思ったりした。

 

それぞれの特徴や絵のクセから、作った人が何人かいるのがわかります。
どの絵にも、ちょっと奇妙な楽しさがあってユーモラス。
子どもの描く絵の魅力にもどこか似ていて。

 

愛蔵版の表紙は、暮しの手帖社の本とはまた違っています。

この本に出てくる大きな壁かけの実物、いつか実際に見てみたいなあ・・・
「天才算数塾」という会場、展示されていたのは2階の和室。
会場自体がなんだか面白かった。

 

以前古本で買った暮しの手帖社の装丁。

 


2017-12-18 | Posted in blog, column コラム, mingei 民芸と手仕事Comments Closed 

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