作品「動物の顔」

動物の顔

世界の民芸品のオブジェクトや布のモチーフの動物たちは、どこか間が抜けたような素朴で愛らしい表情を持っているものが多い。眺めているとなんとも言えない楽しい気分になる。素朴な気持ちでつくられた素直な顔をした動物たち。媚びていない、作為の無い本当の愛らしさがそこにあるように思う。そんな表情を持った民芸品を見ながらともに暮らすことは楽しい。そして、自分も素直な作品がつくれたら良いなと思っている。(20センチ角・切り絵)


2015年の個展「民芸品と暮らす日々」より。
ぼくたち夫婦がいろんな民芸品と一緒に暮らすようになったのは、そもそも器に興味を持ったことがスタート。あるリサイクルショップで、日本の郷土玩具の「三角だるま」に出会って気に入り、ふと買ったことから、その後増えていくことになったのだった。

まずはその三角だるまを飾るために、(当時住んでいたマンションの)リビングの壁に、古道具屋で買った木箱を1つ付けて棚にした。これでいいだろうと飾ったら、その後どんどん増えてしまい、木箱の下にさらに棚板を足した。それでも足りなくなって、さらに右隣にも棚板を追加し、また足りなくなったからその下に箱型の棚を作って取り付けた。それでもまた足りないから、その右側に棚板を2枚追加。そういう様子をインスタグラムなどに投稿したりしているうち、民芸品のことで取材を受けることも増えていきました。たくさんの仲間たちとなった民芸品たちは、中野のアトリエへ全部引越したのだった。やれやれ。

この作品は、いつも作品を見てくださる画家の方のもとへ行きました。絵を通じて、いろいろな方とお話できるということは楽しいことだなあと思います。


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