作品「飛ぶ鳥」

飛ぶ鳥

世界の民芸品や日本の郷土玩具には、鳥をモチーフにしたものがとても多い。空を飛べる鳥は人にとって憧れの存在なのかもしれない。愛らしくも美しいフォルムを持つ鳥をモチーフにした民芸品は魅力的なものが多く、さまざまな形のものが見つかる。自分も鳥というモチーフに惹かれるので、鳥の絵をつくることが今までにも多かったように思う。いろいろな姿をした鳥の民芸品を眺めながら、大空を飛ぶ鳥の図案を考えた。(20センチ角・切り絵)


2015年の個展「民芸品と暮らす日々」より。
個展の度に「鳥が好きなんですか?」と聞かれるけれど、実物の鳥が特別に好きというよりは、モチーフとして好きなのです。特に鳥が飛んでいる姿は美しい形をしているなあと思う。

民芸品に登場する鳥たちも、なんとも愛らしいものが多い。日本のものでも東北のお鷹ぽっぽ、太宰府の木うそなど魅力的なものが多い。昔、インコを飼ったことがある。始めに飼ったインコは黄緑色だったけれど、2番目に飼ったインコはなぜか真っ白。セキセイインコで真っ白って珍しいよねと言いながら日々眺めたり餌をあげたりしたが、なかなか美しい鳥であった。

駒沢に住んでいた時は、ワカケホンセイインコという「野生化したインコ」といわれる鳥をよく見かけた。身体は黄緑色をしていて、肉は固そうであまり可愛くはない鳥だ。このインコは集団で暮らしているようで、毎晩みんなで大岡山というところにある学校の「寝ぐら」へ帰る。夕方にはいつもキイキイと鳴きながら大岡山へ向かって飛んでいく姿をマンションのベランダからよく見かけたものだ。

この作品は、当時の個展の時に一番最初に売約となったのを記憶しています。以前、お店をされていた女性のもとへ行きました。それから、A4サイズのポスターにも加工して現在も販売しています。

 


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