作品「しずく文様を持つ鳥」

しずく文様を持つ鳥

これも「春の魚」と同じ、インドの布「カンタ」の展示を見てからできた作品。カンタの中にはさまざまな刺繍の文様があって、たくさんのデザインの素材を見つけることができた。多分カンタの中では装飾的な脇役のモチーフだと思うけれど、ほんの一部分に使われていて、ぼくの中では印象に残った「しずく」が連なるような単純な形の文様。これを使ってみようと思ってできた飛べない雰囲気の丸い身体の鳥。文様が豊かな表情をくれた。(20センチ角・切り絵)


2015年の個展「民芸品と暮らす日々」より。
最近色々載せるものがあり、ちょっと中断してしまっていましたが、2年前の個展から旅だった作品です(今頃掲載・・)。あ、文章に出てくる「春の魚」をまだ載せていなくてすみませんが・・・日本民芸館でのカンタの展示は、とても印象に残っていて、作家ではない一般の女性たちが作った数々の素晴らしい絵に心を打たれました。

この絵はみなさんにはどう見えるんだろう?自分の作品について、「民芸っぽいですね」と「北欧っぽいですね」などの感想を、違う人から同時にいただいたりするので、そもそも「・・・っぽい」って一体なんだろうとも思うのですが、人によって受け取り方が違うことは、自分とってなかなか楽しいなと思っていることです。この絵は販売用のポストカードにもしていてよく売れており、残りはあと僅かになっています。

フランスのものがお好きなライターの女性のもとへ旅立ちました。キッチンに飾られているとのことで、とてもうれしいですね。自分としては「民芸」寄りなのかなあ(それも感性の判断なので曖昧ですが)?と思っているこの作品を、フランス好きな方が買ってくださったというのもとても楽しいことだなあと思うのです。ありがとうございました!


関連記事