作品「鳥の家族」

鳥の家族

いつか、中国の一般家庭でつくられるという切り紙「窓花」の展示を世田谷で見た。地面に穴を掘って造った家に住んでいる人々で、福を呼び込むため窓辺に飾る切り紙の風習だったかと思う。とても愛らしい鳥や動物の切り紙は幸福感にあふれていた。特にそう思わせるのは材料に赤い紙がよく使われているからかも知れないと思い、赤と白だけで鳥の家族の絵をつくることにしたが、最後に気が変わり、青の文様をひとつ加えて仕上げた。(20センチ角・切り絵)


2015年の個展「民芸品と暮らす日々」より。
こんな絵もあったなあと思い出します。これは渋谷で展示し、その後神戸で展示した時に気に入ってくださった女性の元へ旅立ちました。今年は酉年なのでぴったりですね。飾って頂いているようで、とてもうれしいです。
赤と白だけ、青と白だけ、黒と白だけ・・・など2色で絵を作るのが好きです。モチーフを減らすだけではなく、色を減らすというもひとつ要素を減らすことになり、絵がよりシンプルに強いものになります。形に特化されるというか・・・そこで勝負する感じの楽しさがあるなあと思うのです。でも、この絵は最後に青を入れてますね。それによって表情豊かにもなっている気がします。


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