物件が決まってから1年

写真は今の家の2階の仕事場のスペース。リノベーションが始まり、内装を解体した後の時の様子です。今は完成して全く違う姿になり、この部屋で毎日仕事をしています。

早いもので、アトリエを探して物件が決まってから、ちょうど1年が経ちました。そもそも、ぼくたちはとても限られた予算で、都内で物件を探していたため、探し始めて「これはそう簡単には見つからないな」ということが自分たちにもすぐに分かりました。とはいえ、実際に出ている物件がどんな感じかということも探していく上で知っておく必要があったので、物件はその都度気になれば見に行き、その度にガッカリ!のくり返し。

そんな風に日々アトリエのための物件を探していたところ、ある日ウェブサイトにこの中野の物件が新着で出ているのを見つけました。もともと大好きだった世田谷エリアもいいなあと思っていたし、中野は今まであまり候補にも入れてなかった場所でしたが、金額もぼくたちが希望した範囲内だし、都心へのアクセスも近くてとても便利なエリアです。確か、どこか他の物件を見た帰りに、行ってみようかということになり見に行ったのでした。

案内してもらって見に来ると、割と若い世代の家族が何人も見に来ていました。金額や図面から分かっていましたが、家はとても狭くて(よく言えばコンパクト?)余分なスペースは一切無しという印象。その一方で、この予算でこんなに都心の物件は、これを逃したらもうしばらく出てこないかも知れないということが頭にありました。その辺りは妻も同じ考えだったようで。

そうなると、ここで本当にアトリエができるか?その見方に変わりました。1階をオープンにすることになるので、とにかく1階のアトリエスペースが収まるか?入口の位置を変えて、階段の上り方を変えて、トイレの入口を変えて、ここに一面の棚を作って。厨房はこの向きに変えて、教室のダイニングテーブルはここにレイアウト。下見の15分ほどの間に、そのあたりの大体の収まりをすべて考え「すべてギリギリだけど、なんとかなるかも知れない」と判断しました。そうとなれば、申し込み。競争率激しかったですが、いろいろな幸運が重なり、この家はぼくたちの場所に決まったのでした。ある意味奇跡かも知れません。

以前自分が建築をやってたことが、本当に役に立ちました。あの下見中にあの判断ができなかったら、アトリエの準備もこうして進められなかったかも知れません。もう過ぎ去った過去の仕事や、自分が学んだことは、たとえ今は全く関係ないように思うことでも、きっと人生のどこかで役立つんだろうなとこの時に実感しました。


2016-10-06 | Posted in blog, column コラムComments Closed 

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