作品「音楽の波」

音楽の波

個展「民芸品と暮らす日々」より。2015年春の渋谷のあと、秋の神戸での個展で展示した作品。
姫路のハンモックカフェの中村夫妻が運営する音楽部門ハンモックレーベル第2弾、アルゼンチンのギタリスト、カルロス・モスカルディーニの作品「マノス」。そのカヴァーアートを担当させていただいた。いくつか案を提出したうちのひとつが、この作品に近いものだった。結果、ラウンド型の「音の粒」案になったけれど、自分ではこの「音楽の波」を表現したこの案も同じくらい気に入っていたので、作品として残しておくことにした。(20センチ角・切り絵)


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2年以上前の作品。10年くらい前、切り絵を始めた頃に「音楽を絵にする」ということをよく考えていました。単に曲のタイトルから説明的な絵を作るのではなく、「音楽」そのものを表す絵にしたいと思っていたのでした。実際、「音を形に表す」ことは抽象的なことで、その人の主観が入るので、その人の表現だから、結局のところ、自分の作品として絵を作っているのとほとんど変わらない感覚なのだろうなとも思っています。

この作品は、以前から自分なりに音楽を絵にするということを生かせるようなCDカヴァーアートの仕事をいただいた時に、その案の一つとして作った作品が原型です。これは波を表す形で抑揚やリズム、音型を表現しているけれど、採用になったものはラウンド(ドット)で、茶色の同系色のグラデーションでギターの音形を表現したものでした。

こういう絵、具象の動物や鳥などよりも好きなくらい自分としては気に入っていて、でもなかなか売れるものでもないのかも知れないな、と思いながら作ったのですが、神戸の後に大阪で展示していただいて旅立ったのでした。買ってくださったのは音楽好きの方だったとのことで、とてもうれしかったのでした。

 


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