沖縄・桜坂劇場の手ぬぐい3種

昨年の夏から、沖縄の那覇にある「桜坂劇場」のオフィシャルプロダクトをいろいろデザインさせていただきました。
桜坂劇場には「ふくら舎」という、民芸の器(やちむん)を中心に扱うお店があり、そこで扱う商品です。ふくら舎は全国でやちむんイベントなどを開催していて、「銀座手仕事直売所」にも参加されています。桜坂劇場にある「ふくら舎」での販売はもちろん、こうしたイベントで扱っていただくことになるそうです。
丁寧に時間をかけて、手ぬぐい3種類、ポストカード6種類、Tシャツ3種類、包装紙2種類を担当しました。その中から、手ぬぐいを紹介します。

この手ぬぐい、ぼくたちのアトリエ・フォークでも、
次回7/1(土)のオープンアトリエから販売を始めます。

 


上から、「ガジュマルとヤンバルクイナ」「海」「嘉瓶(ゆしびん)」。
今回の手ぬぐい、よく知られる人気店「かまわぬ」製。
注染の手法で染められています。

 


◎ガジュマルとヤンバルクイナ
沖縄にあるガジュマルの木には、精霊が住むといわれます。
ヤンバルクイナを実際に見たことはないけれど、
歩く姿がとても印象的で、なんだか愛嬌ある「飛べない」鳥。
ガジュマルに向かってたくさん集まってきましたよ。

ちょっと大胆かなあーと思いましたが、
思い切ってお見せしたら、一発でOKとなったこのデザイン。
ヤンバルクイナの写真をいろいろ見ていると「脚」に特徴があると気づき、
なんだか愉快でした。

 


◎海
沖縄は海に囲まれた島国。
イメージしたのは、沖縄で見た穏やかな海。
波と光、ゆらぎを幾何学で表現しました。

全体には沖縄や民芸をテーマにしていますが、
これは見方によっては、北欧のデザインなどにも近いのかも知れません。
民芸とモダンデザインは、いつも緩やかに繋がる関係ではないかと感じます。
「人によっていろいろに見える」ことはとても楽しいこと。

 


◎嘉瓶(ゆしびん)
沖縄では、お祝いの席でお酒を入れるという嘉瓶。
その独特なカタチには、沖縄ならではの大らかさと豊かさが表れています。
リズミカルに並べると、音楽的なデザインになりました。

嘉瓶の形をストイックに追い求めるというよりも、表現したかったのは、
もっと軽やかに「これは好きだなあ!」と楽しむ感じのデザイン。
ぼくのモノとの出会いや接し方は、そういう軽やかな感覚であり楽しみ方だから。

 


そもそも、ふくら舎東京分室の伊藤さんにお声がけいただき、打ち合わせにおじゃましたのが昨年の夏。その後、沖縄ツアーをしていただきました。桜坂劇場を運営しているのは、映画「ナビィの恋」などの映画でよく知られる中江裕司監督の会社。中江監督にも那覇の街を案内していただき、一緒に沖縄そばを食べたり、楽しい時間を過ごしました。やちむん、ガラスなど民芸をはじめとした作り手の方々の工房ツアーを劇場の方に企画していただき、今までにも何度か沖縄には行きましたが、また違う部分も見えてきて印象に残る旅でした。

沖縄から帰って、半年以上の時間をかけて、東京分室の伊藤さんと連絡を取りながら、お互いに求めているのは「こういう感じかなあー」と探りながら、たくさんのデザインをしました。全体として基本的に「沖縄」や「民芸」がテーマになっています。その上で「東京に住むぼくが感じた沖縄」という視点の作品でもあると言えるかと思っています。沖縄は大きな「民芸の地」であり、今でもたくさんの手仕事が残っていますが、それを忠実に「写した絵」をつくるという考え方ではなく「自分が感じた沖縄を素直に自分の形にする」ことがテーマだったように思います。

手ぬぐい、ポストカード、Tシャツなどは今後「ふくら舎」のイベントなどで取り扱われるそうですので、見かけた際にはご覧いただけたらうれしいです。最初に書きましたが、アトリエ・フォークでも今後オープンアトリエ時に販売していきますのでご覧ください!


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