ちょっきんきりえ展 in 神戸
「JAZZ」終了レポート

雰囲気ある美しいシュトックギャラリー

7年ぶりの神戸の元町、シュトックギャラリーでの個展が先日12月18日で終了しました。制作と準備、ずっと続いた時間。ああ終わった~!という余韻です。連日たくさんの方にお越しいただきありがとうございました!ここ何年かの個展のサイクルは、渋谷で春~夏あたりにやってから、関西で秋~冬にやることが多いですが、今年は渋谷をお休みしたので「JAZZ」を神戸でかたちにできて、本当によかったと思います。

連日たくさんの方にお越しいただきました

オーナーのデフカンパニー金子さんから、今度は神戸でどう?と声をかけて頂き、7年ぶりの神戸個展が実現できて嬉しい。神戸は出身の横浜にも雰囲気がどこか似てるからか?初めて行った時から馴染める感じがありました。自分は普段東京に住んでいますが、関西でも毎年ここまで皆さまに受け入れていただけることがとてもありがたくうれしく思います。在廊中にたくさんの皆さまに会えて、いろんな感想や反応や応援をいただきました。たくさんの方と一緒に写真を撮ったり、サインを書いたり、いろんなやりとりが全部楽しかったです。みなさまありがとうございました!

真っ白なギャラリー中での切り絵

神戸の作品や展示について少し書きたいと思います。今年は、ここ何年かの制限された生活だからどういうテーマとかではなく、自分が自然にやりたいと思うテーマで個展をやろうと思っていました。少し前から、切り絵に加えてドローイング作品を始めたこと、普段から常に自分が好きだなあと思う偉大なる画家の作品たち。自然と素直にマティスの切り絵「JAZZ」が頭に浮かび、タイトルにもらいました。自由に、楽しく、音楽的、即興、スピード、リズム、対比、美しさ…自分の作品においてのいろんなイメージに繋がりました。

今回のドローイング作品

高校生の頃どこかで見つけて壁に貼ったマティスの青い女性のシルエットの切り絵。当時どういう画家なのかもよく知らずに見ていたけれど、それがJAZZという名が付いた切り絵のひとつだと知ったのはずいぶん後のこと。あの頃マティスの切り絵をみて純粋に「ああきれいだな」と思ったことは自分がいま切り絵をしていること、どういう切り絵をしたいかということにも、たぶんかなり影響しているように思います。そう、自分の好きなものが蓄積されて、作品は生まれるのだとも思っています。自分以外の人から作品はどう見えるか?ということも、作品の中に、自分が好きなものが見え隠れすることからくるものだとも思ったり。これをやってみたい!という気持ちを素直に捉えて、絵に向かいたいと思う今回の個展でした。

今回の作品たち

今回の切り絵やドローイングは、この先、自分の絵をどうしていこうかなと考えるきっかけや始まりにもなったように感じており、自分自身がさらに好きだと思える絵を生み出すために試した第一歩のようにも感じます。それは大変ながらも、とても楽しい時間でありました。

各種プロダクトも大好評

作品だけでなく今回も商品アイテムをあれこれ販売しました。神戸の個展のために作った壁掛けカレンダーは100冊が完売!作品集ZINEも持っていった40冊が完売。新たにコラボで生まれたブランケットや靴下(bpbp)、ガーゼのハンカチ(BIRDS’ WORD母体のunity)もたくさん手にとっていただき感謝いたします。

個展の制作は、受注イラストの仕事とは違い、ほとんど自由。こんなに楽しい仕事はないと思う。それを皆さんが見てくださり、楽しんでもらえて、さらに購入してくだされば収入になる。こんなにありがたいことはないなあと思います。もちろんそのぶん制作は大変なのですが…!余談ですが、最終的に(おじいちゃんになる頃は)作品だけをつくって暮らしていきたいなあーなんていう、ぼくには緩やかな目標があります。

一方で、自分にとって個展は、やることに意義…とかではなく、今は完全に仕事だと思っています。今回の神戸の個展では9割の原画が売約となり、神戸個展のために作った壁掛けカレンダー100冊も完売!40冊用意した作品集ZINEも完売、それ以外のプロダクトも本当にたくさんご購入いただき感謝いたします。個展を一緒に作り上げてくださる会場やお店のためにも、同時に自分のためにも、売上を出すことは重要なことだと思います。それを少しでも伸ばしていくにはどう工夫したら良いかを考えながら、自分の作風やそれに合う方法を探しつつ、原画も商品も少しずつ新しいトライをしたいと思います。

もっと踏み込んで話せば、何回かやってみて受け入れられなかった(=売れなかった)作風の原画や商品は、素直にそれを受け止め、変えていかなければならないと思います。
それは、来場くださるみなさまの好みに合わせるということだけでもない。自分の作風や表現と要望との接点を探って、喜ばれつつ、自分も好きで納得がいくものを組み立てる感じというか…どちらにしても、なかなか難しく奥が深いといつも感じます。


窓に描いた絵の影が床に映る

12月9日の設営日は金子さんとサクサク準備。窓に絵を描いてくれない?と言われ、その場で決めて描きました。なかなか楽しいドローイングでした。こちらに描いている様子の動画があります。よろしければ。
動画リンク https://www.instagram.com/p/Cl8Ps3_rr8Z/

1階エントランスの窓の絵

ついでに?一階のエントランスの窓にも絵を描きました。窓にこんなに絵を描くことになるとは!思わなかったですが楽しかったです。夜でしたがエントランスの絵はこちらの動画。
動画リンク https://www.instagram.com/p/CmMGM3IJxmc/

デフカンパニーの金子さんと(上)
そしてスタッフの皆さんと(下)

二日間の在廊中たくさん過ぎるお客さまにお会いできてシュトックギャラリーでの楽しい時間はあっという間に過ぎました。このギャラリーをはじめハオスやダンタンなど数々のお店を運営するデフカンパニーの金子さんは、こうした企画展にかかわらず、いろんな面からぼくたちのことをいつも気にかけ支えて下さっている人。改めてありがとうございます。今回もとても楽しかったです!そして、あれこれ気を使ってくださり常に優しくご対応くださったデフ・カンパニーのスタッフの皆さん。普段お店に立たれない皆さんとのことですがとても安心で心強かったです。本当にありがとうございました。

音楽選曲の吉本 宏さんと

会場の音楽はおなじみ吉本さんの選曲。今回の「JAZZ」のための曲セレクト、軽やかでとても気に入っています。作品にも空間にもぴったりでした。今回もありがとうございました!世田谷でやったぼくの初個展に吉本さんがやってきて出会い早15年。そのあと金子さんに出会えていま個展を一緒にやっている。人の出会いは不思議だなあと思う。今回は妻もいっしょに関西へ行き、滋賀の実家にも寄れてよかった。さいごに吉本さんが撮ってくれた二人での後ろ姿の写真を。ありがとう神戸の楽しい時間。

吉本さんが撮ってくれたぼくたちの後ろ姿

来年はどういう個展になるのかなあーとぼんやり考え始めています。もっともっと楽しんで制作したい。みなさま神戸の個展を楽しんでいただき、また写真を見て遠くからも応援していただき、本当にありがとうございました!

THANK YOUカードを描くようす

原画をお迎えくださった方のために個展の後にはいつもサンキューカードを描き、原画に添えてお渡ししています。展示作品の9割、40枚超え!のたくさんの原画が旅立ちました。心から感謝いたします!
動画リンク https://www.instagram.com/p/CmXZotXBBsS/

たくさんの応援ありがとうございました

在廊終了の夜、元町で食べた洋食


2022-12-29 | Posted in blog, column コラム, exhibitions 個展, information お知らせComments Closed 

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